古い戸籍が無い理由

昔の戸籍謄本を取り寄せる際に、必ずしもすべての戸籍をさかのぼれるとは限りません。
特に家系図作成では、直系の祖先を可能な限りさかのぼりますが、法律や過去の様々な事情により戸籍謄本自体が存在しないケースもあります。

 

廃棄処分による場合

現在の戸籍法においては、「戸籍の保存期間は除籍となった時から150年とする」制度があります。
これは平成22年に改正された法律です。

それまでの保存期間は「80年」だったのでかなり伸長されました。
一番古い戸籍でも明治19年以降のもですから、少なくともあと20年間は新たな「廃棄処分」を心配する必要はないでしょう。

しかしそれ以前は「80年」の保存期間だったため、それまでに廃棄処分された戸籍は、復活するわけではなく、残念ながら現在でも取り寄せることはできません。
廃棄対象となったのは、およそ明治、大正時代に除籍となったものです。
この保存期間は法律で定められたものですが、実際の廃棄処分については戸籍を管理する各自治体(各地の市区町村役所)によりその判断が異なっています。

すでに計算上では、保存期間ををゆうに経過している除籍でも通常通り取得できることが多くあります。
実際に当所での廃棄処分に該当する家系は、全体の2割以下なのでそれほど悲観することもないようです。
なお、廃棄処分該当する戸籍については「廃棄証明書」が発行されます。

※参考までに「除籍となった時から150年とする」意味について解説しておきます。

【除籍の意味】

  • 戸籍に記載された人が全員死亡した。
  • 結婚、養子縁組等で別戸籍に移ったため、元の戸籍には誰もいなくなった。
  • 転籍により他の市区町村に新たな戸籍ができた。

このような場合には、元の戸籍は「除籍」となり、それ以降新たな記載は追加されない状態になります。
またこの「除籍」には、法律による戸籍の「改製」も含まれます。
「改製」とは法律が変わることにより「戸籍の様式、仕様を変更」したことです。
例えば最近の戸籍は、コンピュータでデータ管理されていることが多くなり、
以前の縦書から横書きの仕様に変更されています。
あれも「改製」によって新しくなったものです。
なお、改製されたことによる元の戸籍を「改製原戸籍」(かいせいはらこせき、かいせいげんこせき)と言います。

【150年の起算日】
150年を経過した時点で廃棄処分の対象となるのですが、あくまで「除籍」となった時から150年の経過」というのがポイントです。
よく誤解されるところなのですが、150年前に作られた戸籍が廃棄になるわけではありません。
あくまで「除籍」となった時からなのです。
明治に作られた戸籍が延々と昭和まで続いた戸籍であれば、廃棄処分にはなりませんし、一方で、昭和の初頭に作られた戸籍が数年で除籍となったため、廃棄処分されてしまった例もありました。

 

戦災による焼失

第二次大戦下における日本国内では、当時の沖縄を含め中小都市も含め180ヶ所以上にアメリカ軍による空襲がありました。
これにより多くの役所も被害を受けています。
空襲を受けた地域では、保管されていた戸籍を焼失した役所も少なくありませんでした。
戦後になり当時の現在戸籍は作り直されましたが、それ以前の除籍、改製原戸籍などは再製する手段が無いため現在でも取得することはできません。
なお、当時の戸籍が戦災による焼失で戦後に再製されたものは、戸籍にもその旨が記載されています。

 

震災による焼失

最も影響があったのが大正12年の関東大震災です。
特に東京の東部は直後に発生した火災により役所も被害を受け、多くの戸籍が焼失しています。
なお震災による焼失でその後再製されたものは、戸籍にもその旨が記載されています。
また先の東北大震災でも宮城県、岩手県の一部の役所が直後の津波により戸籍を消失しましたが、役所とは別の管轄法務局に戸籍の副本が保管されていたため、再製することができています。

 

大火による焼失

特に明治時代から戦前にかけては、各地で大火と呼ばれる大規模火災がありました。
当時は燃えやすい木造住宅、密集した市街地構造により、あっという間に火の手がまわり数百~数千戸の規模で被害を出していました。
街全域がほぼ焼失することもあり、戸籍を保管する役所も例外ではありませんでした。

 

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